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月刊誌『都市問題』
第 93 巻 第 12 号 / 2002年12月号

特 集

特集 : 地方公務員の人事制度改革の焦点

 

内 容

2002.12  第 93 巻  第 12 号

論文 「変貌する」日本的雇用慣行と地方公務員人事制度改革
著者 辻 琢也
ツジ タクヤ
役職 政策研究大学院大学助教授
特集名 地方公務員の人事制度改革の焦点

2002.12  第 93 巻  第 12 号

論文 自治体の人事行政とその変容―英国を事例として
著者 稲継 裕昭
イナツグ ヒロアキ
役職 大阪市立大学法学部教授
特集名 地方公務員の人事制度改革の焦点

2002.12  第 93 巻  第 12 号

論文 民間の人事制度改革からの視点
著者 北浦 正行
キタウラ マサユキ
役職 社会経済生産本部社会労働部長
特集名 地方公務員の人事制度改革の焦点

2002.12  第 93 巻  第 12 号

論文 パフォーマンス・マネジメントが行政の制度疲労を変える―人事・組織・マネジメントの改革に向けて
著者 山中 俊之
ヤマナカ トシユキ
役職 (株)日本総合研究所
特集名 地方公務員の人事制度改革の焦点

2002.12  第 93 巻  第 12 号

論文 自治体プロ人材の確保・育成をめざす人事制度改革―豊田市における目標管理型人事考課を中心に
著者 伴 幸俊
バン ユキトシ
役職 豊田市総務部人事課係長
特集名 地方公務員の人事制度改革の焦点

2002.12  第 93 巻  第 12 号

論文 「生活者起点」の行政と人事システム改革
著者 笠谷 昇
カサタニ ノボル
役職 三重県総務局人材政策チーム主査
特集名 地方公務員の人事制度改革の焦点

2002.12  第 93 巻  第 12 号

論文 ベンチマーキングによる「安全・安心」の管理
著者 吉川 富夫
ヨシカワ トミオ
役職 東京市政調査会研究部次長

その他

図書紹介
時事問題
文献情報
2002年(第93巻)総目次

特集 : 地方公務員の人事制度改革の焦点

2001年12月に「公務員制度改革大綱」が閣議決定された。1能力等級制度に基づく任用・給与制度の確立を核として、能力・業績重視の人事制度を構築すること、2民間を含めて広く人材を確保し、公募制度の導入等によって多様な人材を確保すること、3適正な再就職ルールを確立すること、4機動的かつ弾力的な組織・定員の管理、国家戦略スタッフの創設等により組織パフォーマンスを向上させることなどがその内容となっている。
 地方公務員については、大綱では「地方自治の本旨に基づき、……国家公務員制度の改革スケジュールに準じて所用の改正を行う」と述べられているのみであるが、国家公務員の制度の改革を待って、これに準ずるという姿勢でいいのだろうか。
 第一に、1個々の職員の職務分担が曖昧な「大部屋主義」、2職員の業績を長期にわたる人事評価に結びつける「積み上げ型褒賞システム」、3終身制を前提とした「遅い昇進システム」によって特徴づけられる伝統的な人事制度は、終身雇用制、年功制賃金からなる日本の雇用システムが公務員の世界に投影されたものであるが、経済の成長率が鈍化し、組織の成長も鈍化し、また人口が高齢化すると、このような雇用システムは機能できなくなる。民間では否応なしに、アウトソーシングや非正規雇用が増加し、組織の中に労働力の流動化が浸透してきているのだが、地方公務員の場合には強い「身分保障」が残されているために、いまや地方公務員の労働力が最も流動性を失うこととなった。
 民間と代替・補完関係にある公共サービスを提供するサービス産業である以上、公務員の人事制度の改革は、広く日本の経済・社会の構造変化、とくに労働市場の変化の中で捉えられるべきものである。
 第二に、能力主義・成果主義の賃金・報酬制度は、目標管理制度と結びつく。これを広い視野で見るならば、1成果志向(業績による管理)、2市場経済の活用、3顧客志向、4権限委譲による組織の簡素化を骨格とするNPM型の人事制度改革と捉えることができる。一言で言えば、組織内でも契約原理による人事を指向するということである。
 契約原理に基づき、仕事の成果を測るためには、個人の仕事の範囲や到達目標を明確にしておくことが前提である。また人事評価に対する信頼感は、公平かつ透明な制度が適用できるか否かに依存する。そして、評価基準、評価方法の明確化、評価結果の通知、その処遇への反映などが新しい人事評価制度を構成するであろう。
 こうした2つの観点から、特集「地方公務員の人事制度改革の焦点」を構成した。今日の日本の地方公務員の人事制度の特徴を抽出するとともに、外国の公務員人事制度改革の動向から日本における地方公務員制度改革の方向を占い、あわせて、すでに進行している日本の自治体の人事制度改革の取組の先進事例を紹介した。
 地方公務員の人事制度の改革は、もはや自治体の内部管理事項ではない。日本の経済社会の構造的変化の中で生じた行政の外部環境の変化、人的資源配分の変化、組織運営の改革との関係のなかで検討せざるを得ない。地方分権一括法のもとで「対等・協力」となった政府間関係のなかで、自律性の高い地方政府の職員としての高い能力と資質がもとめられているということが、この人事制度改革のなかで検証されることとなるであろう。