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この世の終りかと思つた
一寸先きはわからない
金棒の音
混亂したシインがシインに重つて
表現派の繪
Sの話
I君の話
その時のさま
「オツ地震」
瓦の落ちる音
白い不愉快の雲
その雲に當つた夕日
「下町はえらい火事だ」
裸蝋燭が一本
大きな梧桐の上から見た火事
私は出かけた(三日目)
赤阪離宮前の混亂
四谷見附の角
「食糧は送られつつあり 」
一面の燒野原
ゲイトルに草鞋ばきのU氏
U氏との對話
靖國神社の中の避難者
宇都宮の師團らしい兵士
九段の坂の上から見た燒野原
燒け落ちた爼橋
撒水井の詩
街上に不思議な怪物
燒けてゐるお茶水橋
歸路
不逞鮮人の騒ぎ
動搖―雜踏―流言
瓦斯タンク
無氣味の夜
不思議な竹の皮草履
五日目に再び
牛込改代町の崩鹿
本郷薹から厩橋へ
厩橋前の群集
命がけの渡橋
死屍
河岸の悲惨な光景
隅田川
吾妻橋から枕橋へ行く間
源森橋から小梅へ
私の「廢墟」
「まア先生……」
かれ等の話
百花園の避難者
被服・
丸で炭團でも積み重ねたやうに
囘向院の佛像
雨國橋の雄姿
柳橋の狹斜街
「廢墟」
須田町の角
駿河薹のニコライ堂
靑い赤い仁丹の廣告燈
弟
玄米しかない
二三十年も逆戻り
須田町から銀座へ
丸善の崩壊
銀座の今昔
日比谷まで
雜沓した電車
再び表現派の繪
「また火事か」
日比谷公園の避難者
活動寫眞撮影
丸の内
丸の内ビルディング
不忍池の蓮
横濱の埠頭
ある船頭の話
箱根から東京までの汽車のレイルの上
東北方面
田端、日暮里の兩停車場
弟の歸國
弟からの手紙
ある呉服屋の話
常磐橋から呉服橋へ
呉服橋の大通
日本橋 ―魚河岸
魚河岸のある女の話
ある會社の秘書役の話
東京の今昔
被服厰の中での私の知つてゐる人逹
彫金家鈴木光秋夫妻
ある・の話
Bの話
Bの父翁
活動寫眞ずきな翁
今年の秋
電車
東照宮前の五重塔
永樂ビルディングの中
ある會話
遠山遠の雪
死屍を燒く煙
白骨を積み上げた被服厰
「澤山の死屍を呑んだと思ふと恐ろしい川だ」
大杉についての對話
省線電車の混難
郊外の繁華
東中野停車場附近の賑はひ
澁谷驛附近の賑はひ
自警團事件についての對話
夜警
O博士と私
私の亡兄とO博士
O博士の死
安政の大地震
遷都論
敵に襲はれた時の東京
震災と文壇
私の頭の中だけに残つてゐる東京のところところの印象
古びた町、下谷
時代におくれた町
私の頭にだけ出來た「秘密の花」
車阪町から吉原へ
そこに置いて私の空想した女
江戸城の古い外濠
濠に添つてゐる石垣
ある夜の霧
ある夜の雨―雷
トタン屋根
バラツクの音樂
武藏野の霜
薹場附近の鰡釣
今年は餌があるので鰡が多く集つた
隅田川の河口
一月十五日の激震